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さて!

本革の財布、天然皮革の財布の素材と言えば!

牛革や馬革、そしてエキゾチックレザーの蛇革やワニ革、そしてちょっと珍しい所でガルーシャ(エイ革)が一般的かと思います。

この中で、圧倒的なシェアを誇るのが牛革なのは、異論が無い事実になるかと思います。

ですが、最近は牛革の値上がりが続いているんですよね・・・。

更に、環境問題と同様、動物愛護、アニマルウェルフェア=動物福祉が叫ばれています。

このアニマルウェルフェア(動物福祉)への共感が広がりを見せるなか、財布や名刺入れ、カバンといったいわゆる本革製品に関し、ヨーロッパでは動物の革では無く、植物性の素材で制作するメーカーも登場しています。

パイナップルの葉で作ったヴィーガンレザー等は、その代表と言えるでしょう。

もしかすると・・・世界全体で牛革の乱獲への目が厳しくなっているのかもしれません。。。

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パイナップルの葉から作られるヴィーガンレザーに関してはこちら⇒ヴィーガンレザー~パイナップルの葉から作る財布や名刺入れ~

そんな中、ゴミだった『魚の皮』をなめしたフィッシュレザーが注目を集めています。

魚の皮というと、うなぎの革がイールスキンと呼ばれ、鞄や財布に加工されていますが、今回ご紹介するフィッシュレザーを使用した独自ブランド『tototo』では、ブリを中心にフィッシュレザーを展開しているとの事。

こちらで、フィッシュレザーブランド『tototo』を立ち上げた野口朋寿氏のインタビュー記事をご紹介したく思います。

ゴミだった『魚の皮』が高級製品に

地球から採取する資源をできるだけ減らし、廃棄物を最小限に抑える「循環型社会」へのシフトが叫ばれる昨今、食品加工の段階で廃棄される魚の皮を利用し、革製品を作る技術が注目されている。

フィッシュレザーが注目される理由

新しい資源として注目される魚革(フィッシュレザー)製品の特徴や普及への課題などについて、独自ブランド「tototo」を立ち上げた野口朋寿氏に聞いた。

「もろくて臭い」の 偏見を払拭

財布や衣服、家具など、生活のさまざまな局面で手にする機会の多い革製品だが、そのほとんどは、牛や馬といった哺乳類、ワニやヘビといった爬虫(はちゅう)類の皮革を原料としている。

ところが近年、皮革を得るためだけに動物を飼育・捕獲する行為が問題視されるようになっており、欧米を中心に倫理的な観点から動物性レザーの使用を控える企業も増えてきた。

そんな中、代替物として関心を集めているのが、今まで捨てられていた魚の皮をなめして作るフィッシュレザーだ。

富山県氷見市を拠点に、2019年からフィッシュレザー製品の製造、販売を行っている「tototo」では、キーホルダー、スマホケース、名刺入れ、財布の4種類の製品をラインアップ。

売り上げは右肩上がりで、今年に入ってからの受注数は、スタート時と比較して5倍以上の伸びを見せているという。

「環境問題への関心の高まりと、フィッシュレザー製品がメディアでクローズアップされる機会が増えたことが、業績拡大につながっているのは間違いありません。また、実際に製品を使った人の口コミによって、フィッシュレザーにまつわる“2つの偏見”が払拭(ふっしょく)されたことも、需要の増加につながっていると思っています」

フィッシュレザーへの2つの偏見

「一つは“フィッシュレザーは薄くてもろい”というものです。実際、牛革に比べると強度に劣るため、ハードな耐久性が求められる靴底の生地などには向いていないのですが、時間をかけて丁寧に加工することで、財布や小物入れなどの素材としては、十分な頑丈さになります。牛革に比べて軽いのも魅力ですね。もう一つ、“魚臭いのではないか”という懸念もよく聞きます。魚特有の生臭さは、脂身が酸化することによって生じるのですが、フィッシュレザーは脂を加工の段階で徹底して除去するため、生臭さは一切ありません。加工方法は他の革製品と変わらないので、新品の状態では一般的なレザーと同じ香りがします」

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管理人WalletLaboより一言。

前述の通り、うなぎの革はイールスキンと呼ばれ、既に財布や鞄で商品化されており、高評価を得ています。

従来のレザーにはない フィッシュレザーの魅力

大学で漆工芸を専門に選んだ野口氏は、卒業研究で趣味のレザークラフトと漆を組み合わせた工芸品を制作。

その過程で動物の皮をなめしてレザー化する作業に興味をもった。

ある日、鶏の皮で試そうとスーパーに買いに行った際、隣の魚売り場にあったスズキを軽い気持ちで購入し、加工を試みたのがフィッシュレザーとの出合いだ。

フィッシュレザーの魅力

野口氏は、他の革製品にはないフィッシュレザー特有の魅力についてこう語る。

「種類によって見た目と質感が大きく異なるので、他のレザー製品に比べてデザインの多様性は群を抜いています。例えばタイの革はうろこが大きく、ヘビ革のようなヴィジュアル。ブリの革は他の魚に比べて丈夫で、細やかなうろこ模様と滑らかな手触りとなっています。ワニやヘビといった希少価値の高い動物の皮革はインパクトのある見た目で人気がありますが、その多くは養殖した動物を殺したもの。一方、フィッシュレザーの場合、食用として消費された後に、本来だったら捨てられる部分を材料としているため、環境に負荷をかけずに、希少動物のレザーと遜色ない肌合いが楽しめるのです」

レザー製品に向いているのはどんな魚なのだろうか。

「魚の場合、一般的に体のサイズが大きければ大きいほど皮が厚くなります。ブリやタイに加え、サケやサバといった体長1メートル前後の魚の皮は丈夫で厚みがあり、レザー製品に向いているといえるでしょう。また、ウナギやアナゴといった表面がツヤッとした魚の皮には強度があり、独特の光沢があるため、レザー化するのに適しています。逆に体長の小さい、イワシやアジといった魚は皮が柔らかく取れる量も少ないため、革製品には適していないといえるでしょう」

普及への課題は製造コスト

フィッシュレザーは環境に優しく、デザインも豊富。tototoは氷見市の鮮魚店と提携し、皮を無償で提供してもらう体制をとっており、素材調達にかかる費用はゼロだ。

しかし、魚の種類や個体によって革の性質が異なるため、それぞれの特徴に合わせて加工法をアレンジする必要があり、他の革製品よりも製造にかかるコストが大きいという。

「種類や個体差によって、デザインにバリエーションが生まれるのはフィッシュレザーの強みですが、その加工にはコストがかかるのです。また、他の動物性レザーに比べて1匹から取れる皮の量が少なく、バッグなどの面積が大きい製品を作る際には、皮を継ぎ合わせる必要があり、その分の手間と費用もかかります。このような経緯から、現状tototoで販売しているフィッシュレザー製品は、一般的な牛革製品の5倍から6倍ほどの価格設定となっています」

他のレザー製品と比較して、フィッシュレザー製品が高コストであることの背景には、環境への配慮も関係しているという。

「動物の皮はそのまま使うと腐敗していき、乾燥すると硬くなって柔軟性がなくなってしまいます。それを防ぐために、皮の繊維になめし剤を結合させる “なめす”作業が必要です。現在流通している革製品の多くは、なめす過程において安価で購入できる化学薬品のクロムを使用していますが、クロムは燃焼時に毒性の強い物質に変化するとされており、環境への悪影響が懸念されています。そのため、当社ではクロムを使わず、植物由来のタンニンという成分を使っています。クロムを使えばフィッシュレザー製品の値段を今より低く抑えることはできるのですが、それだと『自然環境に負荷をかけない』というフィッシュレザーの理念と相反することになってしまいます」

他の革製品と比較して高コストであることがネックのフィッシュレザーだが、今後世間一般に広まっていくために、どのようなアプローチが考えられるのだろうか。

「現在の技術では安価に提供することができないので、消費者に『ある程度高いお金を払ってでも購入したい』と思ってもらえるような価値づくりが大切です。そのためには、既存の革製品にはないフィッシュレザーならではの魅力を知ってもらうことが必要でしょう。今後は製品を実際に見て、触って、確かめてもらう機会を作っていきたいと思っています」

如何でしたでしょうか?

アニマルウェルフェア=動物福祉の観点、そして地球から採取する資源をできるだけ減らし、廃棄物を最小限に抑える『循環型社会』の実現が叫ばれている現代では、魚革=フィッシュレザーは、非常に親和性が高い素材と言えるでしょう。

ネックはやはり・・・価格ですかね。。。

牛革の5~6倍となると・・・

今後の技術革新と、そして!手に取りやすい値段に落ち着いてくれる事を願うばかりです。