動物の皮は、そのままでは製品として使用できません。

なめしたり、特殊な加工や染色を施す事により、晴れて製品素材へと生まれ変わります。

原皮から革を作るなめし作業に関して綴ってみようと思います。




なめし作業

動物の皮は、なめしの過程を経て「革」になります。

皮から革になる事で、初めて製品として使えるようになるのです。

因みに、なめしを行っていない皮は、腐ってしまう上に耐久性も有りません。

皮は、なめし作業を施す事で、弾力性と耐久性を持った「革」へと変わるのです。

なめしとは?

なめしとは一体何か?

それは、皮のコラーゲン繊維になめし剤を浸透させる工程になります。

その方法は、主に2種類あります。

タンニンなめし

一つはタンニンなめし。

植物由来のタンニンをなめし剤として利用する方法で、ミモザ、オーク、チェスナット等の植物から採取されるタンニンをなめし剤に使い、皮に浸透させます。

タンニン槽に約2~3週間漬け込むので、時間がかかりますが、皮に対してダメージが少なく、自然な風合いに仕上がります。

クロームなめし

もう一つはクロームなめしになります。

こちらは、塩基性硫酸クロムをなめし剤として使う方法になります。

一般的に、タイコと呼ばれるなめし専用の回転箱に皮となめし剤となる塩基性硫酸クロムを入れ、ガラガラと回して一気になめします。

皮に若干負担が掛かりますが、仕上げに時間を要さないのが長所になります。

また、銀面(革の表面)が金属的な輝きを放つのもクロームなめしの特徴の一つです。

タンニンなめしとクロームなめしの違い

タンニンなめしとクロームなめし、2種類のなめしの違いは、一言でいえば、自然由来の成分を使うか、化学的な薬品を使うかという事になります。

両方法の比率を世界的に見てみると、クロームなめしが90%以上で、残りがタンニンなめしとなっています。

タンニンなめしが主流で無い理由は、時間と手間が掛かるからとされています。

クロームなめしとタンニンなめしでは、仕上がりの質感に違いが有りますが、どちらが良いかは、これは完全に好みになります。